Matrix Restart

Written by TOMO
Based on "Matrix" trilogy



Restart


こうして、障害となるものはひとつずつ取り除かれていった。

人間がプログラムとなるだけでなく、プログラムにも人間としての人生を歩むという選択肢が得られることにより、人間にとってもマシンにとっても、真の「選択の自由」が確立した。どのような人生を選ぶのか、それはただの「選択」の問題でしかない。マトリックスはいまや牢獄ではない。もはや、人間とマシンには何の隔たりもないのだ。

さらに、「天才」というものの定義も大きく塗り替えられていく。それは自然発生的なものであるかもしれない。だが、「自然」とはなんだ?マトリックスにおける自然とは?単なる偶然、総当たりの確率操作では説明できない事象、それを生むものはいったい何だ?

それこそが、人類とマシンが共に生き延びるカギでもあったのだ。マシンのプログラミングのおよばない1%の例外、真の天才を生み出すために必要なもの。それは自由選択による真の「協力の意志」だったのだ。己の意志による協力が生み出す相乗効果…1+1が3にも4にもなる奇跡、それは、人間という形態であれプログラムという形態であれ分け隔てなく訪れるものだったのだ。

あとは、自然の脅威に立ち向かうだけだ。その結果はもう予測済みだった。


エピローグ


[数百万年のち、氷河期の終わり]

暗い空を、雲がしだいに途切れるように流れて行く。

キューブを出て立ち上がった男。そして、それによりそう一人の女。ゴーグルを外した彼等の目の前を、明るい太陽が昇っていく。

「きれい...」

The End.




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TOMO
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2004.10.15 編集